【DX用語】「攻めのDX・守りのDX」ってなに?DX担当者が分かりやすく解説

header-image4 DX用語を学ぶ

※このサイトでは現役のDX人材「攻めのDX」と「守りのDX」を分かりやすく解説します!

DX(=デジタルトランスフォーメーション)には、2つの種類があることをご存じですか?

それは「攻めのDX」「守りのDX」

わたしはこの考え方がとても好きです
「何でもデジタル化すればよい」という“DXの誤解“を解くためには、とても分かりやすい考え方なので!

参考コラム:
DXとは何か?についてはこちらをクリック:https://d-transform-navi.com/whatsdx/

このページではDX戦略を練る上で必ず知っておきたい「攻めのDX」「守りのDX」の違いについて解説します

戦略を決めたうえでDXを進めると、目的達成がグッと近づきますよ!

「攻めるべきか」か「守るべきか」か?はDX戦略の要

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織田信長や武田信玄がほかの戦国大名たちより強かったのはなぜだと思いますか?

諸説あるでしょうが、私は信長や信玄は「攻め」と「守り」のバランスを取るのが上手だったのでは?と推測しています

  • ひたすら突撃して攻め続ければ、後ろが疎かになります
  • 城に籠って守り続けるだけでは領土は拡大できません

そう、大切なのは“バランス”

有名な「風林火山」のスローガンだってそれを上手に表していますね

 のように素早く動き、のように猛烈に攻める
 一方でのように静かに、のようにどっしり構えることも忘れない

DXも同じで「攻め」「守り」のポイントを抑えることが重要です

戦国時代の戦と同じで、どちらか一方に偏ってしまっては絶対に勝てません!

【カギは「相手」と「目的」】攻めのDXと守りのDXの違いとは?

「攻めのDX」と「守りのDX」、両者を区別する違いは

  1. 誰を相手にしているか?
  2. 何を目指すか? です

社外に向けて「攻め」のDX

攻めのDXの対象はステークホルダー(=顧客、仕入先、同業他社、株主など「社外」の人々)になります 

目指すところは、次の3ステップです

  1. 自社商品の競争力を強化する
  2. 顧客への新たな価値を提供する
  3. 業界のビジネスモデルを変革する 

下に行くにつれて、レベルが上がっていきます

例えば次のようなケースが「攻め」のDXになりますね

  • AIを使って商品の不良品率を下げた(=商品の競争力強化) 
  • 銀行口座がインターネット上で開設できるようになった(=顧客への新しい価値提供)
  • Webを使ってオンライン診療が可能になった(=ビジネスモデルの変革)

社内に向けて「守り」のDX

では「守りのDX」はどうでしょうか?

守りのDXで対象になるのは、経営層や従業員など「社内」にいる人々です

目指すところは次の3ステップ

  1. 少ない人数で効率よく仕事ができるようにする
  2. ムダな業務プロセスを抜本的に見直す
  3. 経営判断をスピードアップする

こちらも1から3に行くにつれて難易度が上がっていきます

「守りのDX」の例としては次のようなケースがイメージしやすいでしょう

  • 紙の伝票をやめて電子化したことで業務効率がアップした(=仕事の効率アップ)
  • 人材管理システムを導入して適材適所の人員配置を行った(=業務プロセスの見直し)
  • 売上データを“見える化”して営業戦略が練りやすくなった(=経営判断のスピードアップ)

両者の違いを改めて表にしてみました(↓)
「自社が取り組もうとしているDXはどちらになるのか?」ぜひ考えてみてください

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「攻め」と「守り」はどちらから手を付ければ良い?その理由は?

自社の“DX戦略”を考えるとき、どちらを先に着手するといいでしょうか?

答えは「守りのDX」です

「守りのDX」の対象は「社内」でしたね
つまり、身近なものから少しずつ変えていく「スモールスタート」がしやすいのが「守り」の特徴です

一方で「攻めのDX」の特徴は社外に向けて働きかけることでした
巻き込む相手(=ステークホルダー)の数も多くなるため、それだけパワーがかかってしまいます

もう一つ「守りのDX」には、組織が「IT」や「DX」「デジタル」といったトレンドに“慣れる”という目的もあります
自分たちが「IT」に慣れていないのに、外に向かって討って出るのはムリですね

多くの組織は、まず“守りのDX”から実践しています

そして、DXやITによる変革に“慣れ”てきたら“攻め”に転じるパターンが一般的です。

【成功に近道なし!】守りから攻めへ:一段ずつステップアップ

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DX成功のカギは”一歩ずつ着実に上ること” ほかの企業はいま何段目にいるのでしょう??

DX戦略はまず守りから始めるべき、という話をしました

しかし、守るだけでは勝てません

勝つためのは「攻め」に転じる必要がありますが、実際のところ「攻め」の領域まで転じることができている会社はごくわずかです

NTTデータ経営研究所のアンケート調査(2019年実施)では多くの企業が「守り」の段階からまだ抜け出せていないことが明らかになりました

このアンケートでは「攻め」のDXと「守り」のDXそれぞれを、先ほど述べた3つのステップ(合計6ステップ)に分類し「自社のDXはいまどの段階にいるか?」を約500社から解答を得たものです

「自社でDXに取り組めている」と答えた企業は全体の43%程度ありましたが、そのうち「攻めのDXに取り組めている」と答えた企業はわずか1/3程度(17%)です

NTTデータ経営研究所「日本企業のデジタル化への取り組みに関するアンケート調査」結果速報~日本企業のDXへの取り組み実態、成功企業の特徴について~より抜粋

まだまだ多くの会社が「守り」の足固めの最中にいます

「DX」の”X”は「変革」の意味でしたね
「変革」というと、一夜のうちにすべてが劇的に変わってしまうようなイメージを持ってしまうかもしれません

しかしDXにおいてはそうはいきません

「守りのDX」を3ステップ、そして「攻めのDX」を3ステップ
小さな進歩を一段一段ずつステップアップすることの“積み重ね”が大きな社会変革につながることを知っておきましょう

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました

今回は”DX戦略”立案の要!「攻めのDX」「守りのDX」を解説しました。

何でもカンでもデジタル化すればそれでOK!ではありません!

「攻め」「守り」それぞれの特徴を知ったうえで、目指すゴールまでどうやってたどり着けばよいか?しっかり戦略を練ってみましょう!

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