【DXの勘違い?】IT化だけで満足していませんか?
DX(=デジタルトランスフォーメーション)の仕事をしていると、
「 “DX”と“IT化”って同じことでしょ?」と聞かれることがよくあります
実は、プログラマやITコンサルタントといった“情報系”の人材でもDXとITの違いが説明できない人って普通にいます
結論をいうと、
“DX”と“IT”って似ているようでぜんぜん違います!
- IT化(またはデジタル化):ITツールを業務に取り入れること
- DX:ITを使って仕事の進め方や顧客に提供する商品・サービスを変革すること
【まさにこの記事の重要ポイント!】
DXを単なるIT化と特別するポイントは「変革」!これがないと”本当のDX”とは呼べません
実例で見るIT化とDXの違い
「変革!変革!」と言っても具体的に何を指しているの?と思ってしまいませんか?
よくある実例を通じて「DX」と「IT化(デジタル化)」の違いを見てみましょう
IT化・デジタル化 | DX(デジタルトランスフォーメーション) |
---|---|
ハンコで回していた書類を電子承認に切り替えた | 紙に依存しなくなったことで、オフィスにいなくても仕事ができるようになった |
ピザの注文を店頭だけでなくインターネットでも受け付けるシステムを導入した | 自宅から手軽に商品の注文ができることで新規の客層を取り込んだ |
社内文書の誤字脱字チェック業務をAIに任せた | 担当者の残業時間が減って従業員満足度が向上した |
両者の違い、分かりますか?
・IT化はただシステムを導入しただけ…
・それに対してDXは「働き方」を柔軟にしたり、事業拡大の「きっかけ」を作ったり、
”新しい価値”を生み出していることに注目です!
【要注意!】残念なDX成功事例とは?
”DX成功事例”として紹介されている事例のなかにも「それはちょっと違うのでは?」と思うケースが混ざっています
- 従業員に最新のiPhone(またはiPad)を配布した
- フルリモート勤務に切り替えてオフィスを縮小した
- 紙の申請書を電子承認に切り替えた などなど
取り組みはスゴイことですが、これは”DX”の一歩手前・単なる“業務の効率化”にすぎません
ましてや”効率化”がうまくいっているのか?怪しいケースだってたくさん…
- iPhoneを持った従業員が夜中でもメールチェックするようになったり…
- リモート勤務の対象は正社員だけで、派遣社員を無視していたり…
【大事なことなので繰り返しましょう】
効率化を狙うだけでは不十分!
もう一歩踏み込んだ「変革(トランスフォーメーション)」があってこそ真のDXと言えるのです
【忘れちゃダメなこと】DXはあくまで「手段」
何事においても「目的」と「手段」を取り違えてしまうと上手くいきません
もしあなたが会社でDXを推進する立場になったら、この章に書いてあることを常に頭においてください
これからはデジタルの時代だ!と勇み足を踏んで、やみくもにITシステムに手を出す前に、
まず次の2つを整理しましょう
- いま解消したい課題は何か?
- そのためにはどんなツールがあれば助かるか?
“DX成功”のためには、このプロセスがとても大事!
“課題と理想形”をはっきりさせることは、人にしかできません(システムはあくまで”お手伝い”)
例えば、次のように課題と理想形を整理するとわかりやすいでしょう
課題:売り上げデータが経理部にしか見えない“ブラックボックス”になっている! |
→ 会計システムを利用して“見える化”を図りたい! |
課題:社内文書のチェック業務がいっぱいで残業続きだ… |
→ コンピュータの文書チェック機能を使って、誤字脱字チェックができれば! |
逆にいうと「目的」の部分さえ明確であれば、それを達成するための「手段(=システム)」はいくらでもあります(技術の進歩はすごいですから)
わたし自身「それはコンピュータにはムリでしょ…」と思った業務でも、念のため問い合わせてみると「あ、できますよ」とあっさり言われることも多いです
そして、DX担当者は「このシステムは私たちの目的に適っているか?」を絶えず自問自答しなければなりません
一見どんなに良いシステムでも目的から外れていれば、開発から“撤退”する勇気も必要です
組織に“変化”をもたらすための「トレーニング」
仕事の進め方を変えようとすると、必ず抵抗勢力が現れます
「いまのやり方を変えるのは嫌だ!」とストレートに拒否する人もいるでしょう
あるいは、
「良い方法だと思うけど、○○の部分は懸念点だよね」といった”コメンテーター気取り”の人もいるでしょう
(悲しいことですが、どの会社にもこういう“コメンテーター”がいます。)
しかし、考えてみてください
私たちはまさしく“激変の時代”を生きています
“変化すること”を拒んでいては、その組織はいずれ立ち行かなくなります
“現状を変えない選択”を続けていたら、数年後には会社がなくなっているかもしれません
わたしは普段こう思っています
- DXとは、組織に“変化”を促すための一種の“トレーニング”だ!
- いまの働き方を”変革”して、前に進むことができなければ、
遅かれ早かれその会社はなくなってしまうかもしれないよ!
ただのIT人材で終わってしまうか?
真のDX人材になれるか?の分岐点はここにあるのです!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました