「デジタル化」を経営計画に打ち出す企業が増えていくなかで、こんな悩みを感じる機会は増えていませんか?
- デジタル用語が多くて会議についていけない
- 知らない横文字ばかり登場して疎外感を感じた
- 検索すると専門用語ばかりでさらに分からなくなった…
わたしも会社でDXチームに異動した直後は同じ悩みを感じていました
資料の1行目から専門用語が登場して、聞く気が一気にしぼんだこともあります
そこでこの記事では、わたしがDX会議で良く見かける“頻出用語”を
- 初心者でも分かりやすく
- 分野ごとに
- 専門用語なしでまとめました
知ってみると、こんな風に感じることも多いです
- 意外と簡単じゃないか!
- おなじみの「アレ」のことか!
ぜひ参考にしてみてください!
DXのキホン|すべてのビジネスパーソンが知っておきたいDX用語7選
まずはDXの”基本用語”から7個紹介します
経営層から従業員まで、すべてのビジネスパーソンが常識として知っておきたい用語ばかりですので、しっかり押さえておきましょう
これを知っておくだけでもDX会議の理解度が全然違いますよ!
AI│Artificial Intelligence(人工知能)
人間の脳だけができる「知的行動」をコンピュータでも再現できるように進化させたもの
身近で活躍するAIの例
- スマートスピーカー(人の声を聴き分ける)
- ロボット掃除機(埃・ゴミを見分ける)
- 台風の進路予測(過去の事例から推測する)
- インターネット上の”おすすめ広告”の表示(検索履歴から好みを推測する) など
まさしく人の脳をコンピュータで再現する技術ですね!
BI│ビジネス・インテリジェンス
企業の内部システムに溜まった膨大なデータを”見える化”して経営判断の材料にするツール
何万行もあるExcelやCSVのデータを簡単な操作でグラフや表に加工して、データ分析に活用することができます
導入のメリット
- 経営判断のスピードUP
- 社内資料を作成する工数の削減
主要プレーヤー:( )内は提供元
- Tableau(アメリカ:Salesforce)
- Power BI(アメリカ:Microsoft)
- Mortionboard(WingArk1st.)
Data Driven│データ・ドリブン
「経験」や「勘」ではなく、データを駆使して意思決定をするプロセスのこと
例えば、次のことにデータ分析を活用します
- 営業戦略の立案
- 会社の抱える課題の発見と、改善方法の検討
- 重要な経営判断 など
データを駆使してスマートな経営を目指すことですね!
DX│デジタルトランスフォーメーション
デジタル技術を駆使して、新しい「ビジネス」や「価値」を生み出すこと
例えばどんなこと?
- 業務のデジタル化により残業時間を削減する
- テレワークで自宅でも仕事ができる
- システム化により少ない人数で多くの仕事ができる
- デジタル技術を駆使して新しいサービス・商品を開発する
ポイントは今のビジネスに「変化」を生み出すことです
既存の業務を「ITに置き換えた」ではDXとは呼べないので注意しましょう!
関連記事②:デジタル人材への第一歩!ITパスポートを徹底解説
ERP│エンタープライズ・リソース・プランニング
企業の4大経営資源(=人・モノ・金・情報)を1つのシステムでまとめて管理すること
経営に関わる情報がすべて集約されることから「基幹システム」ともいわれます
導入のメリット
- 基幹システムにすべての情報が集まることによる経営の”見える化”
- 情報管理の一元化による生産性アップ
- リアルタイムでのデータ分析
主要プレーヤー
- SAP(ドイツ:SAP)
- freee会計(freee株式会社)
- マネーフォワードクラウド (株式会社マネーフォワード)
RPA│Robotic Process Automation
パソコンやシステムで繰り返し行う「ルーティン業務」を自動化すること
あらかじめ動作を設定しておけば、コンピュータが自動でパソコンを操作して仕事をしてくれます
わたしの会社ではこんな仕事をRPAに任せていますよ!
- 会計データをダウンロードして表に加工する
- 前日に登録されたクレーム情報をメールで配信する
- グループ会社間の請求書を発行する など
導入のメリット
- 24時間稼働できる
- 入力ミス、操作ミスがない
- Excelの編集などは人よりもずっと迅速
主要プレーヤー
SCM│サプライ・チェーン・マネジメント
材料の調達→製品の製造→顧客への配達を一元的に管理して、自社商品の価値を高めること
どんなことを管理する?
- 受発注の処理
- 在庫管理
- 製品の配送状況の把握など
導入のメリット
- 効率的な生産計画の立案
- コスト削減
- 納期の遵守による顧客満足度の向上
営業×DX|営業活動にかかわるDX用語3選
この章では営業(セールス)活動について頻出のDX用語を3個紹介します
新しい顧客を獲得する川上段階から、既存顧客のアフターサポート(=川下段階)まで、ステージごとに様々な用語があります
目的ごとにシステムを使い分けるも良し、1つのシステムで集中的に管理するのも良し。
全体最適を考えながら導入しましょう
CRM│Customer Relationship Management
【顧客管理システム】
商品の購入履歴、頻度や苦情など顧客と会社の“接点”を一元的に管理すること
目的は?
- 顧客と「良好」で「密接」な関係を築き、
- 継続して商品を買ってくれる”ファン”になってもらうことを目指す
導入のメリット
- 新規開拓するより高い収益性を確保
- 優良顧客の情報を社内で共有
主要プレーヤー
- Salesforce (セールスフォース・ジャパン)
- Sansan (Sansan株式会社)
- kintone (サイボウズ株式会社)
営業活動の川上(=新規開拓)がMAやSFAなら、川下(=既存顧客)にあたるのがCRMです
MA│Marketing Automation
【新規顧客獲得ツール】
営業活動で新規の顧客開拓を手助けするためのサービス
例えばどんなサービス?
- 展示会での効率的な名刺収集
- メールマガジンの自動配信
- 資料がダウンロードされた履歴の記録など
営業の“川上段階”でデジタル技術を駆使すること、と考えると分かりやすいですね!
主要プレーヤー
- BowNow (クラウドサーカス株式会社)
- Salesforce (セールスフォース・ジャパン)
- SATORI (SATORI株式会社)
SFA│Sales Force Automation
【営業状況の”見える化”システム】
営業メンバーの「誰が」「いつ」「どの顧客と」「どんな商談をしたか」をまとめて管理できるシステム
導入のメリット
- 一流営業マンのノウハウの共有
- 顧客へのタイムリーなアプローチ
- 売上予測の正確性がアップする
主要プレーヤー
- Salesforce (セールスフォース・ジャパン)
- Microsoft Dynamics (アメリカ:マイクロソフト)
- Kintone (サイボウズ株式会社)
法務×DX|法務部門にかかわるDX用語3選
この章では、法律にかかわる仕事が関連するDX用語を3つ紹介します
紙とハンコのイメージが強い「法律」や「契約」の分野でも、デジタルの力を使った様々なサービスが登場しています
LegalTech│リーガルテック
【法務×IT】
ITを使って法律にかかわる業務の「効率化」や「省人化」を図る技術
どんなことができるのか?
- AIが契約書のリスクを審査する
- 英語契約書を瞬時に日本語に翻訳できる
- 電子署名に対応している
- 契約書の作成・編集を支援をAIが支援する など
主要プレーヤー
- LegalForce((株)LegalOn Technologies)
- LAWGUE(FRAIM(株))
- GVA Assist (GVA Tech(株))
詳しくはこちら → リーガルテックってなに?
こちらもチェック
→ FRAIM社の「LAWGUE」が優秀すぎて”即採用”した理由
Electric Signature│電子署名
インターネット上の暗号化技術を使ってデータを安全に送受信できる仕組み
契約書への「押印」や「署名」がなくても、改ざんされていない“原本”であることを証明できる
「PDFの画面にタッチペンでサインすること」と勘違いする人も多いですが、サインと電子署名は異なります
導入のメリット
- 契約書の捺印、郵送の手間を削減できる
- 印紙税がかからない
主要プレーヤー
DLM|Document Lifecycle Management
文書のライフサイクル(作成>編集>締結>保管>廃棄まで)ををひとつのシステム上で管理できる仕組み
これまでのリーガルテックの弱点をカバーした新しいトレンドです
これまでのリーガルテックの弱点
文書のライフサイクルの”一部”だけをカバー
- 作成と編集はできるけど保管機能はない
- 締結のパートだけに特化している
新しいリーガルテック(DLM)
- 契約文書に関わる全てのステージをカバー
主要プレーヤー
- LegalForce(株式会社LegalOn Technologies)
- Hubble (株式会社Hubble)
- MNTSQ (MNTSQ株式会社)
経理×DX|経理部門にかかわるDX用語2選
この章では、財務・経理部門の仕事に関係するDX用語を2個紹介します
まだまだ紙が残り、コロナ禍でもリモートワークに踏み切れなかったケースが多い経理部…
どんなデジタル技術がトレンドでしょうか?
財務・経理はDXのなかでは”後発組”です。これからどんなサービスが生まれてくるか楽しみですね!
Fintech|フィンテック
金融(Finance)とITテクノロジー(Tech)が結びついた様々なサービスのこと
デジタルの力を使って、お金のやり取りを「もっとラクに・もっと安全に」できる技術です
例えばどんなの?
- 仮想通貨の取引
- オンライン預金口座の利用
- QRコード決裁
- インターネット上での住宅ローンシミュレーションなど
一度はきいたことのある「身近なDX」の一例ですね!
OCR│Optical Character Reader
【文字を読めるAI】
紙や写真に書かれた文字をデジタルデータに変換する技術
どんなときに使うの?
- 名刺をスキャンするだけで氏名や連絡先がデータベースに記録される
- レシートの写真を撮影するだけで家計簿ができる
- 投票用紙に書かれた候補者名を読み取って集票作業をラクにする
- FAXで届く「注文書」の内容をシステムに登録する
紙のやり取りが多い経理部で大活躍です!
人事×DX|人事部門にかかわるDX用語2選
この章では、人事(HR)の仕事に関係するDX用語を2個紹介します
採用・人材教育・配置・福利厚生など、人事部門がカバーする分野はかなり幅が広いですね
人事担当の「長年の経験」や「ノウハウ」に依存しなくても仕事を進められる、そんな新しいツールがたくさん登場しています
【この章で解説するDX用語】
HR Tech│HRテック
人事(Human Resourcing)に関わる業務にITを用いて、業務のパフォーマンスを高めること
どんなことができるの?
- AIを使って従業員の退職の兆候を察知する
- 適材適所の人員配置をAIが提案する
- 入社手続きをIT化して採用担当者の負担を減らす
- 従業員の個人情報保護を強化する
- 給与計算をシステム化して支給ミスを無くす など
主要プレーヤー
それぞれの会社が”得意分野”を持っています
検討の際は1社に絞ろうとせず、様々な会社のサービスをトライしてみましょう!
検討の際は1社に絞ろうとせず、様々な会社のサービスをトライしてみましょう!
Talent Management│タレントマネジメント
【人材情報をシステムで一元管理】
従業員ごとに異なるタレント(=スキル・資質・経験値など)をシステム上で一元管理して人事戦略に活用すること
導入のメリット
- 個人にあった教育プログラムの策定
- 適材適所の人員配置
- 従業員を評価する基準の明確化
- 従業員の満足度向上による離職の防止
主要プレーヤー
AIが適材適所の配置を提案してくれるサービスもあります!
DX推進担当向け|プロジェクト開発にかかわるDX用語4選
これまで紹介した用語以外にも、DX推進担当ならば知っておきたい用語はたくさんあります
この章では、開発プロジェクトや情報セキュリティに関する用語を4個、見てみましょう
【この章で解説するDX用語】
Agile Development│アジャイル開発
試作段階でもシステムを市場に投入して、トライ&エラーを繰り返しながら完成度を高めていくシステム開発方法
小さなPDCA(Plan/Do/Check/Action)を繰り返しながら開発を進めます
ウォーターフォール開発と反対の意味で使われることが多い開発手法です
Water Fall Development│ウォーターフォール開発
従来型のシステム開発方法の一つ(ウォーターフォールは「滝」の意味)
滝の水が上から下へ落ちる(=逆流できない)ように、システム開発のステップを1つずつ順番にクリアしながら完成を目指す手法
反対の意味でよく使われるのが「アジャイル開発」
BYOD│Bring your own Device
私用のPCやスマートフォンを職場に持ちこんで業務を行うこと
慣れた端末で業務ができるため「業務効率」が上がる一方で、次のような課題もたくさん
- 端末の紛失リスク
- 会社の機器と比較して弱いセキュリティ性能
- 機器が壊れた時の補償の問題
- 利用者へのセキュリティ教育
日本での普及率は10%くらい(2019年調査)
Interface│インターフェース
2つ以上の機器やソフトウェアの間で データをやり取りするための規格
もともとは「接点」や「境界」の意味。
メーカーや仕様が異なるパソコン・タブレットを接続して、写真や動画などのデータをスムーズに転送するための規格
身近な例でいうと?
- USBケーブル
- HDMIケーブル
- Bluetooth など
パソコンからスマホへデータを転送できるのも、このインターフェースがあるおかげ!
まとめ│デジタル用語は難しいから何度でも調べていい!
ITやデジタルに関する専門用語は「聞いただけでは何のことだかイメージできない」用語がいっぱいです
- 初めて見る用語
- 忘れてしまった用語
があっても恥ずかしがる必要はありません
用語の意味を正しく理解して、デジタル人材への一歩を歩みましょう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。