こんにちは!
関西の上場メーカーでDX(デジタルトランスフォーメーション)担当をしている”ろっきー”と言います。
・プログラミングをイチから学びたい!
・プログラミングスキルを“見える化”する方法は?
・日商プログラミング検定って難しいの?
この記事では、こんな疑問にお答えしていきます。
簿記の試験で有名な日本商工会議所ですが、実は日本では数少ない「プログラミング検定」も実施しています。
ところが「ITパスポート」や「基本情報技術者」と比較すると、プログラミング検定の情報量は少なめ…
そこで!
わたし(ろっきー)が実際にプログラミング検定(Basic)を受験して、申込から受験勉強、合格発表まで”受験者なら必ず知っておきたいポイント”をまとめてみました。
この記事を読めば、日商プログラミング検定の「ナゾ」がすべて解決しますよ!
一緒にIT人材への第一歩を踏み出しましょう!
そもそもプログラミング検定ってどんな資格なの?
日商プログラミング検定ってどんな資格?と思う人のために、まずは試験の概要を簡単にまとめます。
【プログラミング検定はこんな試験】
- プログラミングに関する基本的な知識/スキルの習得度合いを測る試験
- 年齢や業種を問わず誰でも受験可能
- レベルに応じて4つの試験区分がある
①ENTRY>②BASIC>③STANDARD>④EXPERT - 試験はインターネットで受験
- 自宅では受験不可
- 合格率は非公開(体感50%前後)
- Basicの受験料は4,400円(税込み)
ちなみにENTRYなら3,300円、STANDARDは5,500円
IPA(情報処理推進機構)のITパスポートや基本情報技術者と違って、受験者や合格率が公開されていません。
ベールに包まれている資格ですね…
そこで!
今回はわたしが実際に受験(Basicレベル)した体験記をレポートします!
なかなか見えてこなかった日商プログラミング検定の実態…
一緒に見ていきましょう!
【Point】
プログラミングスキルを分かりやすく”見える化”できるのが特徴、ただし認知度は低め。
4種類の試験をレベルに応じて受験可能
日商プログラミング検定には4つの「レベル」があります。
最も初心者レベルのENTRYから、BASIC>STANDARD>EXPERTとレベルが上がっていきます。
ENTRY | BASIC | STANDART | EXPERT | |
---|---|---|---|---|
難易度 | 易 | 普通 | やや難 | 難しい |
対象 | 初めてプログラミングを学ぶ人 | プログラミング+ITの基礎知識 を身につけたい人 | IT人材として企業の面接で アピールしたい人 | プログラマーを本格的に目指す人 |
受験料 | 3,300円 | 4,400円 | 5,500円 | 6,600円 |
使用言語 | Scratch (Scratch3.0対応) | 言語によらない | C言語 Java VBA Python | C言語 Java VBA Python |
範囲・ レベル | 簡単なプログラミングおよびプログラミング的考え方 | 企業人の素養として求められる、プログラミングの基本知識 | 企業においてIT化を先導できる、プログラミングに関する基本知識・スキル | 仕様書を続んでソフトウェアの一部が作成できる |
STANDARDとEXPERTには実技試験もあるよ!
ちなみに受験する順番に”決まり”はありません。
ENTRYから始めて徐々にレベルアップするのもよし、いきなりSTANDARDやEXPERTに挑むのもよしです。
【Point】
プログラミング検定は4種類あり!
自分のレベルにあった試験を探してみよう!
ろっきーは「Basic」レベルに挑戦!
わたしは2023年の11月にBASICレベルに挑戦しました
あえてENTRYを飛ばした理由は、ITパスポートに合格していたこともあって、基礎的なことは分かるだろうと思っていたので。
【Basicの主な出題範囲は次のとおり】
- プログラミングに関するITの基本知識
- 簡単なアルゴリズム
(企業人の素養として求められる、プログラミングの基本知識を習得している)
これは私の感想ですが、プログラミング云々よりも”ITそのもの”に関する基礎知識の方が問われます。
本格的なプログラムの読み書きについては1つ上のSTANDARDレベルからですね!
というわけで…いざ「Basic」に挑戦!
実際に受けてみた感想としては…
難易度的にはITパスポートと同レベルかな。って感じです!
次の章から、試験の流れを詳しく見てみましょう!
日商プログラミング検定│受験の流れを大公開!
ここからは、わたしの受験体験記を振り返りながら、プログラミング検定合格までのステップを紹介します。
- 会場申込み
- 試験料の納付+本番確認
- 問題集で試験勉強
- 本番>すぐに合格発表
という流れです
私は受験会場に地元の商工会議所を選びました。
民間の専門学校でも受験できるケースがありますが、そもそも都会にしかありません…
商工会議所ならばどの自治体にも必ず1か所ありますよ!
試験会場の検索はこちら
家に近いし、立地も分かりやすい場所にある場合がほとんどですよ!
ステップ1:試験の予約は電話のみ!
わたしのように商工会議所のパソコン教室で受験する場合、試験の申し込み手段は電話のみです
電話では、
①受験したいレベルと、
②希望の日時を伝えてください。
このとき「3日後」などの直近の日程を抑えることはムリです(※試験の1週間前までに受験料を納めなければいけないため…)
【Point】
試験日は余裕をもって2週間くらい先の日程を抑えましょう!
ネット申込できる会場はどこ?
電話での申し込みに抵抗がある方や、日中は忙しくて時間が取れない方は、民間のテストセンターやパソコン専門学校がおすすめです。
インターネット申込ができますよ
https://links.kentei.ne.jp/organization/
※ただし、試験会場は少なめです
例えば私は京都市民ですが、市内にはネット試験の会場は1か所しかありません…
・パソコンいわくら教室
その代わり、すこし足をのばして大阪まで行けば対応可能な会場はぐっと増えますよ
https://links.kentei.ne.jp/organization/27/all
大きな街の方が選択肢は多いですね!
ステップ2:受験料を支払い+本人確認も
受験日を決めたら、1週間前までに会場に行って受験料を納付します(※商工会議所での受験の場合)
原則、“現金払い”です
試験の予約が電話だったり、受験料が現金払いだったり…
IT関連の試験なんだから、もうちょっとインターネットを駆使してほしいですが、仕方ありませんね…
また、支払と同じタイミングで本人確認があります。
氏名と住所が乗っている顔写真付き証明書(マイナンバーカードなど)を忘れずに持っていくようにしてくださいね!
ちなみに1週間前までに受験料を支払わなかった場合、試験の予約はキャンセルされます。
予約からやり直しになってしまいますよ…
納付と本人確認が終わると、確認印が押された「受験票」が発行されます。
A5サイズの小さな紙です、無くさないようにしましょう!
これで申込は完了です。あとは勉強あるのみですね!
ステップ3:試験勉強スタート│問題集がない!
試験勉強を進めるなかで、いちばん困ったのが「問題集が少なすぎる」ことでした。
いろいろ探しましたがBasicレベルで見つかったテキストはこの1つだけ(↓)
まずはこのテキストを隅々までマスターしましょう
もちろんこれですべての試験範囲をカバーできているワケではありません。
⇒ 実際に本番では「えっ、なにそれ!?問題集になかったけど??」なんて用語もたくさん出てきます
そんなの、どうやって勉強すればいいの?
基礎的な範囲はITパスポートと被っている部分も多いです。
上記の対策テキストを使いつつ、試験前にはITパスポートの問題集も一通り見直してみるのがベターでしょう
【Point】 少ないテキストを確実にマスター!
IPassのテキスト・解説を教科書代わりに使いましょう
\ろっきーのおススメはこちら!/
公式のサンプル問題は”実力試し”程度に
プログラミング検定には、4つのレベルそれぞれに無料のサンプル問題があります。
商工会議所のウェブページからすぐダウンロードできるので、まずはこのサンプル問題から試してみるのがおすすめですよ。
【サンプル問題の使い方】
- いったいどんな問題が出るのだろう?
- どのレベルが自分には合っているかな?
こういった内容を判断する目安にしてください。
ちなみに、Basicのサンプル問題は答えがすべて「1」です。
本番直前の”腕試し”のつもりで挑むと拍子抜けしてしまいますので、あくまで出題の傾向を見るくらいの目的で使いましょう!
ステップ4:いざ本番!他のIT試験と何が違う??
日商プログラミング検定試験は、わたしが今まで受験したITパスポートや基本情報技術者とはだいぶ違います。
いったい何が違っているの?
- 計算問題があるのに電卓は使用不可
- 計算用紙とペンも使用不可(暗算のみ)
- 専用の試験室はなし
- 試験官がずっと横で見ている
商工会議所のパソコン教室が開講されている大部屋で、すぐ隣に受講生がいる状態で試験を解かねばなりません。
また、試験中のカンニング防止のため(?)なのか、試験官がずっとわたしの後ろに立って”監視”しています。
試験の担当者も「試験に慣れていないな…」と感じさせることは多いです
知らずに行くと、試験に集中できないほど戸惑ってしまうかもしれませんね…
合格・不合格はすぐに分かる
気になる「合格・不合格」ですが、試験の終了後すぐに分かります。
すべての問題が解き終わって、画面上で「試験終了」のボタンをクリックするとコンピュータが採点をスタート。
ほんの数秒(2秒くらい)で結果が表示されます。
合格ラインは60点以上。
わたしが挑んだときは制限時間いっぱい使って85点でした◎
ちなみに設問ごとの配点は次のとおり(↓)
- 第1問 75点(25問)
- 第2問 18点(3問)
- 第3問 7点(1問) ※2023年11月時点
やはり第1問の「基礎」が合格のカギを握りそうですね
証明書の印刷はQRコードから
試験に合格したら「証明書」はもらえるの?
合格証明はインターネットから「デジタル証明書」をダウンロードする必要があります。
採点終了時に試験官からQRコードが掛かれたA4用紙を渡されるので、スマホで読み取ってください。
QRコードから合格証書にアクセスできるので、すぐにダウンロードしておきましょう。
合格したことに安心して、「証明書は後でダウンロードしよう…」なんて言ってるうちにQRコードの紙をなくしてしまうと、再発行の手続きが面倒ですよ!
【Point】
「いったん家に帰ってから…」なんて思わずに、その場で・すぐにダウンロードしておくことをおすすめします。
カードの発行はないの?
日商プログラミング検定では、ほんの少し前までは免許証サイズのプラスチックカードが「合格証」として郵送されていました。
2023年現在、郵送でのカード発送はもう対応していません。
合格を証明できるのは、先ほど紹介したデジタル証明書のみ。
「もしかしたらカードが届くかも!」と思って首を長くして待っていましたが、とうとう届くことはありませんでした…
感想:IPAの資格の方が役に立つかな
受けてみよう!と決めてから試験当日までかかった時間は約1か月。
実際に受けてみた感想としては、BASICレベルならばITパスポートを受ける方がメリットは大きいだろうな、って感じです。
ITパスポートの方が認知度が高いし、
得られる知識も広いからね!
もちろん、プログラミング検定を否定する意図はありません
本気でプログラマとして活躍したいのならば、より上位のSTANDARDやEXPERTレベルに挑戦する価値は十分にあります。
一方でプログラミングだけに縛られずITの幅広い知識を身につけたい方にとっては、やはりITパスポートをおすすめします。
【ITパスポートの試験範囲(例)】
- ハードウェアとソフトウェアの仕組み
- ITリテラシー
- IT関連法規
- 情報セキュリティなど
ITパスポート試験の詳細については、別の記事に詳しく紹介していますので是非ご覧ください。
【参考記事】ITパスポート試験の難易度と勉強時間を徹底解説!
まとめ│IT人材への近道って?
この記事では、日商プログラミング検定「BASIC」試験の特徴について、実際に受験してみた体験を交えながら解説しました。
【日商プログラミング検定のポイント】
- 試験には4つのレベルがある!
- IPAの試験と比べると知名度は低め。
- プログラミング知識の“腕試し”をしたい人はぜひ!
プログラミングの技能を“見える化”するにはとても良い資格ですよ!
その一方でBASICに合格していることがイコール”IT人材”として認められた訳ではないこともご理解ください。
【Point】
“受験する目的”を考えて、自分にあった検定試験を選びましょう!
⇒ それがIT系人材への一番の近道です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!