【2023から制度変更】基本情報技術者ってどんな資格?

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このページでは「基本情報技術者」試験の概要を、専門用語なしで分かりやすく解説します

基本情報技術者にどんなイメージをもっていますか?

  • 難しくて初心者にはムリだろう
  • 取得しても何か役に立つの?
  • せっかく受験するならば一発で合格したい!

実際のところ基本情報技術者は毎年10万人以上が受験する”人気資格”ですが、初心者がいきなり挑んで合格できるほど簡単ではありません

じゃあIT初心者の受験は無謀なの?

ろっきー
ろっきー

いいえ、そんなことはありません!

試験の特徴を知って、粘り強く勉強していけばIT知識ゼロの初心者でも3か月程度の勉強で十分に合格を目指せます!

この記事では関西の上場企業でDXチームに勤める現役のデジタル人材が、

  1. 基本情報技術者試験の概要から
  2. 2023年度試験からの変更点
  3. 初心者から合格するためのコツ

までを分かりやすく解説します

ろっきー
ろっきー

一緒にデジタル人材への第一歩を踏み出しましょう!

資格サマリー│2023年からの変更点に注意!

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IPA:情報処理推進機構ウェブサイトより

基本情報技術者ってどんな資格なの?

まずは基本情報技術者試験の概要を見てみましょう

「概要はもう知ってるよ」という方も多いと思いますが、2023年春から変更された項目もあるので改めて確認してみてください

【基本情報技術者試験の概要はこれだ!】

  • 高度IT人材を目指すための基礎的な知識と技能をはかる試験
  • 2022年度の受験者数は8.8万人
  • 直近の合格率は34.8%(2022年秋試験)
  • 試験は科目Aと科目Bの2本立て
  • 試験時間は190分間
    (科目A 90分・科目B 100分)
  • 科目A・Bそれぞれで60点以上の正解で合格
  • 受験料は7,500円(税込み)
  • 2023年から方式変更で1年を通じて受験が可能になった
  • 2023年の試験から科目Bの出題範囲が大きく変更

次の章でそれぞれの内容を詳しく見ていきましょう

IT人材を本気で目指す人の登竜門

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基本情報技術者はITを仕事にするすべての人にとっての登竜門(スタートライン)になる資格です

  • ITエンジニアに興味がある
  • 転職に有利な資格を取得したい
  • リスキリングでデジタル知識を身に付けたい
ろっきー
ろっきー

こんな人ならば基本情報技術者試験は避けては通れません

IT関係のどの職種で働きたくても、基本情報技術者の知識が身についていなければ太刀打ちできません

【IT関係にはどんな仕事がある?】

  • ITエンジニア
  • システム開発プロジェクトのマネージャー
  • プログラマー
  • 情報セキュリティ責任者
  • データサイエンティスト など

【Point】
あらゆる職種の「登竜門」として多くの人が目指す資格が基本情報技術者です

年齢制限なし|合格者の平均年齢は25歳

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基本情報技術者試験の大きな特徴として、若い世代の受験者が多いことがあります

2021年の春試験では合格者の平均年齢は「25.2歳」でした

これは主に

  1. 就職活動に有利な資格を取りたい大学生や
  2. 会社の指示で取得を目指すIT企業の若手社員 

が多いためと考えられます

じゃあ30代・40代になって受験するのは遅いの?

いいえ、そんなことはありません!

最近は「リスキリング」ブームで、30代以上の方でも情報系の資格取得を目指す方が増えています

マイナビの調査では、社会人のリスキリングで人気No.1は情報・IT関連です(参考サイト)

ろっきー
ろっきー

わたしも34歳で初めて基本情報技術者試験に挑戦しました

基本情報技術者の試験には、社会人としての経験が長いからこそ理解しやすい問題もありますよ!

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難易度|直近の合格率は30%台で下降ぎみ

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2022年秋に開催された試験の合格率は34.8%です

2021春2022春2021秋2020秋2019秋2019春2018秋
34.8%38.3%40.1%48.1%28.5%22.2%22.9%
基本情報技術者試験:合格率の推移

表を見るとコロナ前(~2019)とコロナ後(2021~)で合格率に大きな「差」が出ていることが分かりますね

試験問題が簡単になったの?

と思うかもしれませんが、それは違います

合格率が上昇した原因はコロナ禍のため2020年春の試験が中止になったことです

受験までの勉強時間が長くなり、準備万端で挑む受験生が増えたために合格率がアップしたと言われています

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コロナ禍も徐々に収束しているので、合格率は少しずつコロナ前の25%前後に戻っていくでしょう

4人に1人しか合格しないなんて、初心者にはムリじゃん!

こう思うかもしれませんね

でも安心してください

私が実際に受験してみた感想は、きちんと練習問題での実戦経験をつんでおけば大丈夫!一発合格も十分に狙えるレベルです

ろっきー
ろっきー

この記事では初心者でも始めやすい勉強方法も解説します
一緒にがんばりましょう!

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試験スケジュール|1日がかりの2部構成

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基本情報技術者の試験方式はITパスポートと同じ「CBT方式」です
コンピュータ上に問題文と選択肢が表示されます

CBT方式の説明は→こちら

試験は2部構成です

  • 科目A(60問):100分
  • 科目B(20問):90分

(注)科目AとBを別日に申し込むことはできません

先に科目A、10分間の休憩をはさんで科目Bを同日に受験します

科目ごとの詳細は→こちら

ろっきー
ろっきー

丸1日がかりの大仕事になりますね!

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2023年春試験からの変更点は2つ

2023年の4月から、基本情報技術者の試験スタイルが大きく変わりました

主な変更点は次の2つです

  1. 受験のチャンスがほぼ毎週になった
  2. 科目Bの試験範囲が難しくなった

1.受験のチャンスが拡大

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2022年以前の試験では年2回(上期・下期)しか受験のチャンスがありませんでした

2023年4月からは全国のテストセンターでほぼ毎週、受験できるように変わります(要予約)

【要注意!】
予約はインターネット上で行いますが、会場ごと予約人数に制限があります

ろっきー
ろっきー

“早いもの勝ち”で予約が埋まります

勉強スケジュールに余裕を持たせるためにも、2・3か月先の予約を心がけましょう

2.科目Bの試験範囲はより難しく

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以前は「午後試験」と呼ばれていた試験が「科目B」という名前になり、試験範囲も大きく変わりました

基礎言語・プログラミング・アルゴリズムなど、どちらかと言えば苦手に感じる人が多いジャンルが問題の8割を占めるようになり、難易度はグッと上がっています

旧・午後試験新・科目B
出題範囲情報セキュリティ
データ構造・アルゴリズム

ハードウェア
データベース
ネットワーク
ソフトウェア設計
プロジェクトマネジメント
C言語
Java
Python
アセンブラ言語など
疑似言語
プログラム
アルゴリズム
情報セキュリティ
出題数全11問から5問選択
太字は必須・その他は選択式
20問
全問必須
出題形式選択問題選択問題

科目Bについての詳細は→こちら

これまでなら、苦手な問題が出題されても「選択しない」か、得意な分野でカバーすることができましたが、今後はそうはいきませんね

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科目ごとの特徴

基本情報技術者試験は科目A科目Bの2つに分かれています

2022年以前は「午前試験・午後試験」と呼ばれていましたが2023年4月の試験から科目A・科目Bという名称に代わりました

科目A科目B
試験範囲【ITパスポートと同じ】
ストラテジ系
テクノロジ系
マネジメント系
【テクノロジ系から】
基礎理論
アルゴリズム
プログラミング
問題数60問20問
試験時間100分90分

次の章で、それぞれの特徴を詳しく見てみましょう

科目A│ITパスポートと同じ3分野

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科目Aでは60問(すべて4択問題)が出題されます

合格ラインは60%以上の正解です

ろっきー
ろっきー

制限時間は100分ありますので、焦らずゆっくり解答していきましょう

出題範囲はITパスポートと同じく3つの分野に分かれています

  • マネジメント系
  • ストラテジ系
  • テクノロジ系

【Point】
全体の6割にあたる37-38問がテクノロジ系からの出題です

ちなみに科目Bもテクノロジ系中心なので、試験全体では7割以上がテクノロジ系関連ですね

過去問はこんな感じ

【頻出:論理演算】
8ビットの値の全ビットを反転する操作はどれか?

  1. 16進数表記00のビット列との排他的論理和
  2. 16進数表記00のビット列との論理和
  3. 16進数表記FFのビット列との排他的論理和
  4. 16進数表記00のビット列との論理和

(令和元年度・秋期)

もう一問!

【頻出:トランザクション処理】
DBMSにおいて、複数のトランザクション処理プログラムが同一データベースを同時に更新する場合、論理的な矛盾を生じさせないために取る技法はどれか?

  1. 再編成
  2. 正規化
  3. 整合性制約
  4. 排他制御

(令和28年度・春期)

過去問は「午前試験」を参考に

「科目A」は2023年春の制度変更により新しく決まった名前で、2022年まで「午前試験」と呼ばれていました

ろっきー
ろっきー

過去問で勉強する際は「午前問題」を反復しましょう

試験の範囲や内容は「午前試験」と変わりません

モチベーションを保ちやすい勉強の方法についてはこちらの章を参照してください

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科目B|プログラミングとアルゴリズム系

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次は科目Bです、問題数は20問あります

  • プログラミングとアルゴリズム(16問)
  • 情報セキュリティ(4問)

科目Aと比較すると問題文が非常に長くなったり、難しい用語も「知っている前提」で出題されたりと、難易度は大きく上がります

合格のカギを握る重要分野ですね!

過去問はこんな感じ

【頻出:一次元配列】
次の記述中の(   )に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。
ここで,配列の要素番号は1から始まる。

関数 makeNewArray は,要素数2以上の整数型の配列を引数にとり,整数型の配列を返す関数である。関数 makeNewArray を makeNewArray({3,2,1,6,5,4})として呼び出したとき,戻り値の配列の要素番号5の値は(   )となる。

プログラム
○整数型の配列:makeNewArray(整数型の配列:in)
 整数型の配列:out ← {}  //要素数0の配列
 整数型:i、tail
 outの末尾にin〔1〕の値を追加する
 for(iを2からInの要素数まで1ずつ増やす)
  tail ← out[outの要素数]
outの末尾に(tail + in[i])の結果を追加する
endfor
return out

(サンプル問題集より)

初心者はまず科目Aから始めよう

試験勉強を始めたばかりの初心者がいきなり科目Bに挑むのはやめましょう

ろっきー
ろっきー

科目Aの内容を問題なく理解できるようになってから科目Bの勉強を始めてください

科目Bの内容ははっきり言って難しいです!

科目Aで基礎が固まっていない状態で科目Bに挑んでも、問題文の意味すら分からずに挫折してしまいます

【※例題:青字が科目Aの出題範囲】
関数 rev は8ビット型の引数 byte を受け取り,ビットの並びを逆にした値を返す。例えば,関数 rev を rev(01001011) として呼び出すと,戻り値は11010010となる。
なお,演算子∧はビット単位の論理積,演算子∨はビット単位の論理和,演算子>>は論理右シフト,演算子<<は論理左シフトを表す。

いずれも科目Aの出題範囲である

  • ビット⇔バイトの変換
  • 論理積/論理和
  • 論理シフトなど

が分からないと、問題文の意味も分かりませんね…

試験時間は90分でも余裕はない?

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科目Bの試験時間は90分です

90分で20問なら時間的に余裕では?

と思うかもしれませんね

しかし先ほど紹介したとおり試験の内容がそもそも難しく、一つ一つの問題文もとても長いため時間的な余裕は感じません

さらに2023年春からの制度変更によりこの科目Bの出題範囲が大きく変わりました

2022年以前の「午後試験」とも形式や範囲が異なるため、過去問を使った勉強では不十分です

IPA(情報処理推進機構)がウェブサイトに掲載しているサンプル問題、またはそのサンプル問題を参考に出版された予想問題集を活用しましょう

【参考ウェブサイト】
IPA(情報処理推進機構)サンプル問題集

【初心者向け!イチからわかる問題集】

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目的で見る|ITパスポートとの違い

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基本情報技術者とよく比べられるのが「ITパスポート」資格です

出題範囲も似ていますし、本屋でもすぐ隣同士に参考書が置いてあるため”同じようなもの”と感じている方も多いでしょう

ITパスポートと基本情報技術者の違いはなに?

難易度や出題範囲も違いますが、いちばん大きな違いは”受験の目的”と考えています

【目的・どんな人が受験するべき?】

  • ITパスポート 
    →基礎的なIT知識を身に付けたい人
  • 基本情報技術者
    →IT・デジタルの分野を仕事にしたい人

例えば、次のような方ならばITパスポートで身に着く知識だけで十分に役に立ちます

  • ITを使った経営をしたい
  • 会社のデジタル会議に置いて行かれないだけの知識がほしい
  • デジタルに詳しい人間になりたい

一方で、仕事としてITを活用したいならば基本情報技術者は必須です

  • IT・デジタルに関連する仕事がしたい
  • 将来的にIT系の会社に就職・転職したい

もちろん、基本情報技術者の資格を持っていればすぐにどんなIT関係の仕事でも就けるわけではありません

多くの方は基本情報技術者を”足掛かり”にしてより上位の資格を目指します

  • 応用情報技術者
  • ITストラテジスト
  • システムアーキテクト
  • システム監査技術者 など

ITパスポートと基本情報技術者は出題範囲こそよく似ていますが「受験の目的」は全く異なることを知っておいてください

ろっきー
ろっきー

目的にあった資格を選びましょう!

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私の勉強法|気分が乗らない時はスマホアプリが便利

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わたしはITパスポート試験に合格したすぐ後に、基本情報技術者の勉強をスタートしました

ろっきー
ろっきー

ITパスポートで覚えたことを忘れないうちに次の資格に挑戦しよう!

くらいのノリだったと思います

しかし仕事が忙しかったり、ITパスポートより難しい用語がたくさんあったりで、1か月後には投げ出してしまいました…

参考書もしばらく本棚で眠ったまま…

そんな私が勉強を再開できた「きっかけ」は、スマホアプリをダウンロードしたことです

参考書を開くのは気分が乗らないときでも、スマホアプリならば通勤電車の中や休憩時間でも気軽に勉強できるね

ちょっと暇つぶしにネットニュースを開く代わりに、1・2問解いてみるだけでも知識を習得できます

ろっきーが実際に使ったアプリはこちら
全問解説付 基本情報技術者 科目A 一問一答問題集

モチベーション維持のカギ

いきなり難しい参考書に挑まず、スマホアプリで気軽にスタートしてみましょう

もちろん、スマホアプリだけで合格に必要な知識をすべて身に付けることはできません

わたしも用語に慣れたり、なんとなくでも解ける問題が増えてくると、やはり参考書や過去問を使ってガッツリ勉強することが増えました

別の記事では、

  • 具体的にどんな参考書をつかったのか
  • 1日のいつ勉強していたか?
  • 科目Bを過去問を使わずに勉強した方法

などの詳細を包み隠さず書いています

ろっきー
ろっきー

試験に失敗したくない人はぜひ読んでみてください!

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まとめ│基本情報技術者に合格する一番の方法は?

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基本情報技術者はITを仕事にしたいすべての人が挑む登竜門です

初心者にはレベルが高い資格ですが、仕事や育児のスキマ時間でも十分に合格が目指せます

取得すればデジタル人材としてのキャリアが大きく開けますよ

最後に、わたしが感じた「基本情報技術者に合格する確率を上げる方法」をお伝えします

それは「ITパスポートを先に取っておくこと」

例えば、次の2人では、どちらがより合格が近づくでしょうか?

  1. いきなり基本情報技術者試験に挑戦する人
  2. ITパスポート試験を経て基本情報技術者に挑む人

私の経験から言うと絶対に「2」です

IT・デジタルの知識がない初心者からスタートする場合、いきなり基本情報技術者の範囲を習得しようとすると内容が難しすぎてほぼ100%挫折します

一方で、ITパスポートの勉強を通じてある程度の基礎を習得しておけば、多少の苦労はしますがレベルが上がってもついていくことができます

結果的に、いきなり基本情報技術者に挑戦するよりも早く・確実に合格できるでしょう

ろっきー
ろっきー

急がば回れ”ですね

この記事が、皆さんがデジタル人材への第一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

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