この記事ではDX(デジタルトランスフォーメーション)を仕事にするわたしが、初心者からDX人材を目指すために必須な資格を徹底解説します!
【こんな悩みを抱える人にピッタリ!】
- 初心者でも最短でDX人材になる方法を教えて!
- 本当に使えるIT資格はどれ?
- リスキリングしたいけど何から始めれば?
この記事はこんな悩みを抱える人に向けて書きました
実は初心者向けにDX資格を紹介しているサイトのなかには、まったく初心者のためにならない情報であふれているものが多数あります
記事の内容を信じて資格取得を目指した結果、難易度が高すぎで挫折したり、取得しても大して役に立たなかったりと時間のお金がムダになることも…
そこでこの記事では「IT初心者が本当に取得すべき資格」を7つに絞って紹介します
一緒にデジタル人材への第一歩を踏み出しましょう!
初心者からDX人材になるために必要な資格
そもそも”DX人材”ってなに?
デジタル技術を使って会社や組織の課題を解決することができる人材のことです
デジタルトランスフォーメーションが浸透するなかで、どの企業からも求められる課題解決のプロ!
この記事では、そんなDX人材を目指して第一歩を踏みだしたいすべての初心者に向けて、持っておいて絶対に後悔しない資格やスキルを紹介します
- 本当に役に立つ資格だけを教えてほしい
- IT関連の資格を身に付けて転職したい
- DXプロジェクト会議で取り残されたくない
- 同期や先輩に”差”をつけられる資格が欲しい
こういった皆さんにとって「最低限これだけは持っておきたい!」という資格ばかりです
難しすぎる資格やスキルは紹介しません!
階段を一段ずつのぼるように、ゆっくりと習得していきましょう
【この記事で紹介する資格7選】
本当の情報はなかなか見つからない?
GoogleやYahooで「DX資格 初心者」と検索しても、なかなか求めている情報に出会うことはできません
私も会社のDXチームに異動した当初、何とか周りのメンバーに追いつきたくていろいろと検索しましたが、「これだ!」というサイトは一つも見つかりませんでした
その理由は2つあります
- プロでも難しい資格が「初心者向け」として紹介されている
- 広告・宣伝目的でまったく関係のない資格のページが乱立している
例えば多くのサイトが「応用情報技術者」や「ITストラテジスト」をDX資格として紹介していますが、この2つはベテランの情報系人材でも難しい超・難関試験です
他にも「AWS認定資格」や「データベーススペシャリスト」などもヒットしますが、まったく初心者向けの資格ではありません!
初心者向けは「釣り」だったのか!?
安心してください
この記事ではDX初心者に本当に取ってほしい(そして合格しやすい)資格だけを紹介します
IPAのおススメ資格3選
デジタル系人材としての知識を身に付けたいなら、IPA(情報処理推進機構)が主催する各資格がおススメです
初心者からプロ向けまでステージごとの試験があり、レベルや目的によって使い分けることができます
この章では、初心者にとってほしい資格として次の3つを紹介します
- ITパスポート試験(レベル1)
- 基本情報技術者(レベル2)
- 情報セキュリティマネジメント(レベル2同等)
早速見ていきましょう!
1.ITパスポート|ITの基礎知識が満載
始めに紹介するのは「ITパスポート」です
すべての社会人が知っておくべき“ITの基礎”が詰まった優良資格ですよ!
情報・ITに関する知識はもちろん、社会人ならば欠かせない様々な知識を広く・浅く習得できます
【ITパスポートの出題範囲】
- 課題解決手法
- プロジェクトマネジメント
- 法務/コンプライアンス
- 営業戦略の立案 など
IPAのレベル区分ではいちばん下の「レベル1」にあたる資格で、難易度はそれほど高くありません
(合格率は50%前後)
令和3 上期 | 令和2 下期 | 令和2 上期 | 令和元 下期 | 令和元 上期 | |
---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 80,157 | 84,417 | 47,380 | 57,022 | 46,790 |
合格者数 | 44,694 | 47,432 | 30,080 | 30,486 | 25,837 |
合格率 | 55.8% | 56.2% | 63.5% | 53.5% | 55.2% |
スキマ時間を使った勉強で十分に合格できますよ!
試験の概要や、初心者でも一発合格できる勉強方法は別の記事に載せていますので、ぜひチェックしてください
【参考記事】初心者からITパスポートに一発合格する方法
あるいは、
勉強って苦手なんだよね…
こんな方でも大丈夫!
毎日机に向かわなくても、スマホアプリから手軽にスタートすれば勉強のハードルも下がりますよ!
2.基本情報技術者|IT人材の登竜門
次は「基本情報技術者」を紹介します
IPAのレベル区分では「レベル2」に該当
ITを仕事にしたいすべての人にとって「登竜門」になる重要な資格です
令和3秋 | 令和3春 | 令和2秋 | 令和元秋 | 平成31春 | |
---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 52,831 | 32,238 | 52,993 | 66,870 | 54,686 |
合格者数 | 21,167 | 13,522 | 25,499 | 19,069 | 12,155 |
合格率 | 40.1% | 41.9% | 48.1% | 28.5% | 22.2% |
ひとことでIT関連の仕事と言ってもたくさんの職種ありますね
- システムエンジニア
- プログラマー
- システム開発プロジェクトのマネージャー
- IT企業の営業マン
- 情報セキュリティマネージャー など
どの職種を目指すにしても、基本情報技術者の出題範囲が分かっていなければ太刀打ちできません
それくらい情報技術者としての基礎が詰まった資格です
2023年からの制度変更により、試験科目は「科目A」と「科目B」の2つに分かれました
試験時間は190分の長丁場です
しっかり勉強してから臨みたい試験ですね!
基本情報技術者試験の詳しい概要については、別の記事にまとめています
ぜひそちらもご覧ください
3.情報セキュリティマネジメント|需要の多い特化資格
情報・ITについての基礎知識が身に付いたら、次のステップには「情報セキュリティマネジメント」資格がおススメです
先ほど紹介した2つの資格は情報・ITの基礎知識を「広く・浅く」学べることが特徴でした
一方でこの資格は情報セキュリティ分野に特化した資格としてとても有名です
難易度は上がりますが、持っていればどの会社でも「即戦力」として活躍できるDX人材に転身できますよ
令和4春 | 令和3秋 | 令和3春 | 令和2秋 | 令和元秋 | |
---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 13,131 | 14,738 | 14,089 | 9,121 | 14,355 |
合格者数 | 8,033 | 7,949 | 7,376 | 6,071 | 6,754 |
合格率 | 61.2% | 53.9% | 52.4% | 66.6% | 47.0% |
合格すれば、情報セキュリティのプロとしてコンピュータウイルスなどのサイバーセキュリティだけではなく、ITに関連する法律や規制、情報漏洩事故の対応にもスペシャリストとして携わることになります
【情報セキュリティマネジメントの一例】
- コンピュータウイルス対策
- システム外部委託時のリスクアセスメント
- 従業員による秘密情報の持ち出し対策
- 従業員へのセキュリティ教育
- ITに関する法律の改訂対応 など
【Point】情報はもはや会社の資産!資産を守るプロとして、アピールしやすい資格です!
【関連記事】情報セキュリティマネジメントってどんな資格?
IPA以外のデジタルスキル
DX人材としての第一歩を踏み出したければ、先ほど紹介したIPAの資格に挑むのが”最短ルート”です
その一方で、最近になってDX関連資格として認知度が急上昇している資格があるのでここで紹介します
それは「DX検定」
デジタル技術をつかってビジネスの価値を高めるDX人財のために、先端IT技術・トレンドの知識が幅広く問われます
次の章で、DX検定の特徴をみてみましょう
4.DX検定│スタンダードレベルから
【試験の概要】
- 毎年1月と7月の年2回開催
- ネット試験のため自宅でも受験が可能
- 制限時間は60分
- 問題数は120問(1,000点満点)
得点によって「レベル」が変わるのが特徴です
- 800点以上 DXプロフェッショナルレベル
- 700点以上 DXエキスパートレベル
- 600点以上 DXスタンダードレベル
を名乗ることができます(有効期限2年間)
ちなみに過去8回試験の平均点は「1,000点満点中545点」でした
平均レベルでは合格できないのか…
まずは600点のスタンダードレベルを目指して、勉強をスタートしましょう!
参考書がない検定|合格のカギはSNS?
DX検定には「テキスト・参考書」がありません
イノベーションに関する幅広い知識が問われるため、新聞記事や業界紙、公的機関の調査レポートなどに載っている内容から幅広く出題されます
【出題範囲の例】
- 再生医療
- カーボンニュートラル
- QRコード決裁(フィンテック)
- AI/機械学習
- サイバーセキュリティなど
日ごろからDX関連のニュースにアンテナを張っていないと分からない…
試験日を決めて短期集中型で勉強するのは極めて難しい資格と言えるでしょう
【Point】
合格するためにはウェブサイトやSNSなどでDX関連の知識を積極的に集めるようにしてください!
デジタル以外でも欲しい資格って?
DX人材として周囲から頼られるためには、IT関連以外の知識も必要です
勘違いする方も多いですが、DXの仕事はプログラム開発やデータ分析ではありません
デジタル技術を使って会社や組織の悩みを解決することです
課題解決のためには、悩みを抱えた相手と対等なレベルで話ができなければなりません
- 経理部の課題を解決するためには、会計の知識が必要です
- グローバル企業に勤めている方や、海外に商品を販売している方が相手ならば英語でのコミュニケーションも必要でしょう
【Point】
ただデジタルに詳しいだけではDX人材として不十分です。
デジタル+αの知識を1つ以上身に付けましょう!
次の章ではそんな「+α」の力が身に付く資格を3つ紹介します
5.簿記|3級レベルで十分な会計知識
ひとつめの「+α」は簿記3級です
DX人材になるには簿記3級が必須!というワケではありませんが、同等レベルの会計知識は持っておいてください
DXに関連するプロジェクトで、件数がいちばん多いのが経理関係だからです
「紙」と「ハンコ」が多い経理の仕事はいままでDXが遅れていた分野でした
しかし最近になって猛烈なスピードでデジタルシフトが進んでいます
経理関係は小さな改善が大きな効果につながりやすく、企業はこぞって経理業務のデジタル化に乗り出しています
当然、その流れに乗るには最低限の会計の知識が必要ですね
【最低限の会計知識って??】
- 借方と貸方を区別できる
- 資産と経費の違いが分かる
- キャッシュフローをイメージできる など
【Point】本業で経理をするわけではないので、3級レベルで十分!
会計×デジタルの二刀流で一流のDX人材への道が開けますよ!
6.英語|最低限のコミュニケーションは必須
DX人材としての「+α」を求めるならば、英語も必須のスキルです
【目安は英検なら2級、TOEICは600点以上】
TOIECで600点というのは特別に高い点数ではありません
ビジネスパーソンとして求められる通常レベルの英語力がこれくらいです
DX関連のプロジェクトでは、
- システムの導入先が日本人とも限りません
- システムは日本のシステムばかりでもありません
わたしの部署では、ドイツ製のシステムをフィリピンの現地法人に導入する支援をしています
システムの説明書に日本語はなく、詳細な説明書を参照したければ英語版しかありません
フィリピンの現地法人に導入するフェーズでも、コミュニケーションは英語です
英検1級やTOEIC満点を目指す必要はありません。
辞書を参照しつつも何とかビジネス文書が書ける・読めるレベルにはなっておきたいですね
7.OCEB2試験|課題解決のプロを目指す
最後の「+α」としておススメしたいのが「OCEB2」です
BPM(ビジネスプロセス・マネジメント※業務プロセスの現状を把握して改善を行うこと)に関して130か国以上で実施されている世界基準の試験になります
DXとBPMは切っても切れない関係にあります
DXとはデジタル技術を使って組織の課題を解決することでしたね
では、その課題を見つけるにはどうすればいいでしょうか?
業務フローを整理して「どこに課題があるか?」を突き止めるプロセスがBPMです
例えばお医者さんの「診断と治療」のような関係と考えてください
- 診断:どこが悪いかを突き止める作業がBPM
- 治療:薬や手術など病気を治す手段がDX
診察と治療がセットになってこそ効果を発揮しますね!
その診察についての知識が身につく資格がOCBEB2です!
2021年から日本語版がリリースされた新しい試験でまだ合格者が少なく、持っているだけで貴重な人材になれるでしょう!
最強のスキルは「聞く」こと
資格を持っていれば誰でもDX人材になれるわけではありません
ビジネスパーソンとしてのスキルは資格だけでは測れないからです
この章では、わたしが考える”DX人材になるために最も重要なスキル”を紹介します
それは「人の話を最後まで聞ける」こと
あたりまえのことじゃん!
と思うかもしれませんね。
しかしことデジタル系の人材に関しては、人の話を最後まで聞けない方が本当に多い印象を受けます
- デジタル用語を乱発して自己満足していないか?
- デジタル化ありきで話を進めていないか?
- 相手の仕事を相手より詳しく説明できるか?
DXとは、デジタルの力を使って組織の課題を解決することでしたね
課題がどこにあるか?を探すためには、依頼元とのコミュニケーションが欠かせません
【Point】すべてのキホンは聞くことです
どんなビジネスパーソンでも同じです!
まとめ│DX人材になれば給与が上がる!
このページでは、「初心者からDX人材を目指すために取っておきたい資格」を7つ紹介しました
【この記事で紹介した資格7つ】
資格はあくまでDX人材になるための”入り口”にすぎません
たくさんの知識を持っていても、使わなければ得られるものはないからです
身に付いたデジタル知識をフル活用して組織の課題を見つける・解決できる人間になってこそ、DX人材への道は開けます!
企業はそんな人材が喉から手が出るほど欲しい!
給与アップへ間違いなしですよ!
資格の勉強には、スマホアプリが便利です
朝の通勤時間や帰宅後のちょっとした“スキマ時間”でも手軽に知識を習得できて、試験勉強に対するハードルも大きく下がりますよ
また、別の記事ではDX人材の第一歩踏み出した方に向けて、現役のDX人材でも見落としがちなDXポイントも紹介しています、ぜひご覧くださいね!
【参考記事】あなたの会社のDXを失敗させる7つのサイン
【参考記事】本当にいいベンダーを見つける5つのポイント
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。