- 文系の私に基本情報技術者はムリでは?
- ITエンジニアを目指さない人にも必要なの?
- 知識ゼロでも挫折しない方法はあるの?
すべてのITエンジニアにとっての「登竜門」と言われる基本情報技術者
必ずしもITエンジニアだけが目指すべき資格でもありません
文系あるいはIT以外の分野で働く人にとっても、取得して損はない優良資格です
この記事では、文系・非IT分野で働く人でも基本情報技術者資格に挑戦するメリットと、専門知識ゼロからでも試験に一発合格できる方法を紹介します
この記事を最後まで読むと、最短で基本情報技術者に合格できる方法が分かりますよ
例えばコンピュータの計算問題は学生のとき数学が苦手な人にはハードルが高いもの
しかし、きちんと基礎さえ理解しておけば文系・理系関係なく突破できます
一緒にデジタル人材への第一歩を踏み出しましょう
基本情報技術者ってどんな資格?
ITを仕事にするすべての人にとっての「スタート地点」になる資格です
ひとことでIT関係の仕事といってもさまざまな職種がありますが、そのすべての基礎となる知識がこの基本情報技術者試験で出題されます
IT系の企業なら入社2・3年目の若手社員には必須で取得させているほど、IT人材としてのキャリアをスタートさせるためにはなくてはならない資格です
試験のサマリー
基本情報技術者試験ってどんな試験なの?
試験の概要は次のとおりです
- 高度IT人材を目指すための基礎的な知識と技能をはかる試験
- 2022年度の受験者数は8.8万人
- 直近の合格率は34.8%(2022年秋試験)
- 試験は科目Aと科目Bの2本立て
- 試験時間は190分間(科目A 90分・科目B 100分)
- 科目A・Bそれぞれで60点以上の正解で合格
- 受験料は7,500円(税込み)
- 2023年からの方式変更で1年を通じて受験が可能になった
- 2023年の試験から科目Bの出題範囲が大きく変わっている
より詳細な情報については、別記事に載せていますのでそちらも読んでみてください
文系が基本情報技術者に合格するメリット
ここまで読んだ皆さんのなかには「基本情報技術者は専門のIT人材が目指すべき資格で、総務や人事などを担当する文系(または事務系)には関係がないのでは?」と感じる人も多いでしょう
そんなことはありません!
実は文系の皆さんだからこそ、基本情報技術者をおススメしたい理由があります
文系のわたしが基本情報技術者を取るメリットってなに?
- ITエンジニアと管理系社員の架け橋になれる
- 主体的に学び直すスキルが身に付く
特に前者はDX推進プロジェクトにおいて絶大な効果を発揮します
早速見てみましょう
1.ITエンジニアと事務系の架け橋に
文系(=事務系)の人材が基本情報技術者の知識を持つメリット1つ目は、ITエンジニアとの懸け橋になれることです
事務系の部門(総務・財務・人事など)でDXプロジェクトを推進するとき、システム開発部門との”橋渡し役”ができる人材がいなければ、プロジェクトは必ず失敗します
- ITエンジニアは総務や経理などの業務フローを知りません
- 一方で事務系の社員にはITが苦手な人が圧倒的に多いです
この2者でシステム開発プロジェクトを一緒に進めるとどうなるでしょう?
おそらくコミュニケーション不全が多発して、プロジェクトはすぐに頓挫してしまいます
お互いに言っていることが通じないのだから当然ですね…
失敗を避けるためには、総務や財務の業務フローが分かりつつ、ITの知識も持ち合わせた「通訳」が必須です
文系の知識+基本情報技術者の組み合わせで、この「通訳」として非常に重宝されます
現業とITの二刀流でDXプロジェクトを成功に導きましょう!
2.学びなおす意欲のアピール
一見するとITと無縁にも思える文系(=事務系)のわたしたちが基本情報技術者に挑むメリット、2つ目は「未知の分野に主体的に挑戦した経験」です
実は、基本情報技術者に合格したからといって、明日からすぐにプログラミングやデータサイエンスの第一線で戦うことはできません
そのためにはもっと上位レベルの試験に挑む必要があります
一方で、それよりもずっと評価されるスキルがあります
主体的に学び直しができることです
わたしが基本情報技術者の資格を取ろうと思ったきっかけは、現業とITの両方が分かって改善策を打ち出せる人材になりたいと感じたことでした
当時は30代の中堅でしたが、目的をもって未知の分野に挑んだわけです
黙って日常業務をこなしているだけでは、この経験は得られません!
転職活動でも優位に立てるね!
偶然にもいまはリスキリングブームです
人に指示される前に、主体的に未知の分野に踏み込んだ経験はかなり重宝されますよ!
科目Aの突破法|インプット・アウトプットを着実に
ここからは、科目A・科目Bそれぞれについてわたしが実際にやっていた勉強法を紹介します
まず科目A。
結論からいうと、科目Aの突破には正攻法しかありません
【科目A突破の正攻法】
- テキストを読んで知識をためる(=インプット)
- 問題集や過去問を使って確認する(=アウトプット)
いかに効率よく「インプット→アウトプットの流れ」を最低2回、できれば3回以上繰り返すか?が攻略のカギです
裏ワザとかないの?
必ず当たる問題集とか?必殺のノウハウとか??
散々調べましたがありません!
じゃあ具体的に何をすれば?と思ったら、次の章で詳細を見てみましょう!
インプット|まずは「0→1」を目指そう!
第1ステップはインプットです
知識をゼロからイチにするために、初心者向けのテキストで1分野ずつ知識を習得しましょう
おススメのテキストは「イメージ&クレバー方式でよくわかる栢木先生の基本情報技術者教室」です
知識ゼロの初心者でも難しいIT用語を理解できるよう「例え」を上手く使って用語を解説しています
わたしは朝の通勤電車のなかで、1章(約10分)ずつ読み進めながら知識を習得しました
1周目は流し読むくらいがちょうどいいですよ(理由は後ほど)
アウトプット|最初はスマホアプリから
第2ステップはアウトプット。
テキストを読んで身に付けた知識はすぐにアウトプット(=問題を解く)して定着させてください
テキストで「分かったつもり」になっていたけど、実際に問題を解いてみると手も足も出なかった、、、、なんていう経験は誰にでもありますね
アウトプットこそ、知識の定着には必須!
わたしのおススメはスマホアプリを使うことです
問題集を買って解くのもいいですが
- 毎日机に向かうのはハードルが高い…
- 今日は疲れちゃって気分が乗らない…
そんな時でも、スマホアプリなら気軽に勉強を始められます
ちょっとしたスキマ時間に1・2問解いてみるだけでも、かなり知識が定着しますよ
ろっきーが実際に使ったアプリはこちら!
全問解説付 基本情報技術者 科目A 一問一答問題集
ただし、本気で合格を目指すなら過去問などの問題集は必要です
スマホアプリだけでは掲載されている問題の数に限界があるからです
とっかかりとしては良いですが、より広く・深く理解を深めるためには過去問を最低3年分は解いたほうがいいでしょう
分かるまで何周も解きましょう!
ちなみに科目Aは2022年以前の「午前試験」の出題範囲とほぼ同じです
\おススメの問題集はこちら/
情報系の資格に挑戦するときはいつもこのシリーズを使っています
問題が豊富で解説が丁寧、言うことなしですよ!
合格のコツ│いちどですべてを覚えるのはムリ!
試験勉強のコツは「1回のインプットですべてを覚えようとしない」です
試験で問われる知識はIT系の経験者でも難しいものばかりです
初心者が1度テキストを読んだだけですべてを理解するのはムリでしょう
インプット→アウトプットを最低2周はしなければ、知識は定着しません
- インプット(テキストを読む)
- アウトプット(問題集を解く)
- もう一回インプット(テキスト2周目)
- 最後にアウトプット(別の問題集を解く)
勉強スケジュールには2か月くらいの余裕が必要です
科目B突破法|過去問が使えない難関
科目Bの試験対策でいちばん困るのが「過去問が使えない」ことです
科目Bは2023年の試験制度変更により大きく範囲が変わった科目で、2022年以前の「午後試験」とも中身が大きく異なります
旧・午後試験 | 新・科目B | |
---|---|---|
出題範囲 | 情報セキュリティ データ構造・アルゴリズム ハードウェア データベース ネットワーク ソフトウェア設計 プロジェクトマネジメント C言語 Java Python アセンブラ言語など | 疑似言語 プログラム アルゴリズム 情報セキュリティ |
出題数 | 全11問から5問選択 太字は必須・その他は選択式 | 20問 全問必須 |
新・科目Bは「基礎理論・アルゴリズム関連」など、どちらかといえばこれまで苦手にしてきた方が多い分野がメインになりました
旧・午後試験の問題をマスターしても、ほぼ試験に出ません…
秘策1|専門家の予想問題が頼り
これまで、基本情報技術者の受験勉強では過去問が大きな武器でした
しかし2023年度から出題範囲が変わってしまったため、過去問を使って勉強する効果が薄れています
しばらくの間は、専門の機関から出版される「予想問題集」が頼りです
IPA(情報処理推進機構)のウェブサイトには、科目Bの出題範囲(シラバス)とサンプル問題が掲載されていて、それをもとにした予想問題集が各社から出版されています
わたしのおススメはこのテキスト(↓)
科目Aの章でも説明した「インプット→アウトプット」のフローを1冊で完結できます
注)初心者にも解きやすいようにイチから丁寧に説明しているテキストです。
ある程度理解ができた方には簡単すぎるかもしれません
秘策2|情報セキュリティ系こそ確実に!
科目Bには、20問中4問だけ情報セキュリティ系の問題が含まれます
残り16問を占めるアルゴリズム関連の勉強ばかりに集中してしまいがちですが、情報セキュリティの4問は確実に正解を取りに行きましょう
この分野だけは旧・午後試験と出題範囲が重なっているので、過去問で十分に対策ができます
ITパスポートとも内容が被っているよ!
科目Bの合格ラインは60%正解です
もし情報セキュリティ系の4問を全問正解できると、残りのアルゴリズム関連は8/16問の正解でクリアできます!
科目Aは免除できる!
科目Aと科目Bを同時に受験するなんてムリだ…
安心してください
実は、科目A試験を免除する方法があります
それはIPA(情報処理推進機構)が認定した講座をあらかじめ受講して、修了試験に合格すること
「修了試験に合格=科目A免除」となります
詳しい制度の概要はこちら▶▶IPAウェブサイトへ
この方法なら、試験当日は科目Bのみの受験でOK
両方を一気に勉強しなくてもいいのはメリットだね!
その講座はどこで受けられるの?
47都道府県どこでも開講されています
認定講座の一覧はこちら▶▶IPAウェブサイト
まとめ│+αこそ最大の価値
この記事では文系の人材が基本情報技術者資格を持つメリットと、知識ゼロでも合格にたどり着ける勉強法を解説しました
【科目A対策】
- インプット→アウトプットを2周以上繰り返す
- アウトプットのおススメはスマホアプリ
- 問題集も最後は必要
【科目B対策】
- しばらくは予想問題集が一番の武器
- 情報セキュリティ分野の4問は確実に取ろう
実際に試験を受けた感想としてひとつ強調しておくと、理系・文系は合格に関係ありません
- 理系出身で計算が得意だから合格しやすい
- 法学や文学部の出身だから苦労する
そんなことは全くなかったです
最後に、文系のわたしたちが基本情報技術者の資格に挑む本当の価値は「本業+α」の知識を持てることだと考えています
例えば会社の法務部に次の2人のメンバーがいたとき、あなたはどちらを頼りにしたいですか?
- 法務に詳しい法務部員
- 法務にもITにも強い法務部員
「+α」があるかないかは大きな違いになるね!
皆さんもそんな「+α」を身に付けてみませんか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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